新巻鮭 (あらまきじゃけ/荒巻鮭/秋鮭の新巻鮭)

塩蔵の鮭は、川へ遡上した鮭を塩漬けにして保存性を高めた加工食品です。かつては保存技術が限られていた時代に重宝され、現在ではお歳暮の定番商品として広く親しまれています。現代では冷凍技術の発達により、塩蔵鮭は冷凍品として流通しており、全国のスーパーや通販サイトなどで手軽に購入できます。
さばき方が難しいと感じる人のために、「姿切り身」と呼ばれる商品も販売されており、これは丸ごとの鮭を一度さばいて切り身にし、元の形に近づけて整えたもので、見た目も豪華で贈答品として人気です。調理方法は通常の塩鮭と同様で、焼き物や蒸し物などさまざまな料理に活用できます。

栄養成分としては、高たんぱくでありながら脂肪が少なく、健康的な食材として評価されています。特にビタミンB6やパントテン酸、カリウムといった成分が豊富に含まれており、栄養バランスに優れています。ただし、保存性を高めるために塩分が多く使用されており、めざしと同程度のやや高めの塩分濃度になっているため、塩分摂取に注意が必要な人は食べる量や塩抜きの処理を工夫するとよいでしょう。

塩蔵鮭は、日本各地の郷土料理や家庭料理に用いられ、多彩なレシピが存在します。レシピサイトでは、クリーム煮や粕汁、ポトフ、酒蒸し、氷頭なますなどの作り方が紹介されており、季節に合わせたアレンジも楽しめます。また、購入後に自分でさばく方法や、適切な塩抜きの仕方についても詳しく紹介されていることが多く、初めて扱う人でも調理しやすいよう工夫がされています。
このように塩蔵鮭は、伝統と現代の利便性が融合した食材として、贈答用にも日常の料理にも幅広く活用されています。