小松菜 (こまつな/コマツナ)

小松菜は冬が旬で、「冬菜（フユナ）」や「鶯菜（ウグイスナ）」の別名でも知られるアブラナ科の葉野菜です。灰汁（あく）が少なく調理しやすく、低カロリーで栄養価が高い食材として人気があります。栄養成分としては、β-カロテン（体内でビタミンAに変換）、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カルシウム、カリウム、鉄、モリブデンなど多彩な成分を含んでいます。特にカルシウムは、ほうれん草より多く、牛乳に匹敵する量を含むため、日常の食事で手軽にミネラルを補給できます。

小松菜は抗酸化物質であるルテインやゼアキサンチンも含み、野菜料理やサラダの彩りとしても利用されます。食物繊維も豊富で、加熱調理や生食でも食感や風味を活かした料理が可能です。β-カロテンやビタミンCは熱に比較的強く、短時間の加熱で栄養素を効率的に取り入れることができます。また、料理への応用も幅広く、小松菜のお浸しや胡麻和え、煮浸し、炒め物、汁物の具材、スムージーなど、ほうれん草と同様の使い方が可能です。

調理前は根元に十字の切れ込みを入れると泥汚れを落としやすくなります。茹でる場合は熱湯に塩を加えて1～2分さっと茹で、冷水にとることで鮮やかな緑色と歯ごたえを保つことができます。江戸時代から栽培されていた小松菜は、東京都江戸川区の「小松川地区」に由来し、現在でも関東を中心に広く親しまれています。栽培方法や品種改良により、年間を通して安定して市場に出回るようになり、食卓に多彩な形で取り入れられています。さらに、保存方法としては、湿らせた新聞紙で包んで冷蔵庫に入れることで、鮮度を長持ちさせることができます。