えごのり (エゴノリ/えご海苔素干し) ＜乾燥＞

えごのりは、紅藻類イギス科に属する海藻の一種で、日本各地の沿岸部、特に日本海側、東北地方、九州北部などに広く分布しています。地域によっては「いご」「いご草」「おきてん」など、さまざまな呼び名で親しまれています。

えごのりは、細長くやわらかな藻体を持ち、岩礁地帯に生育します。主な漁期は冬から春にかけてで、収穫後に水洗い・天日乾燥された乾物として流通します。この乾燥品は、水に戻して加熱・煮溶かすことで、独特のぷるんとした食感を持つゼリー状の食品に加工されるのが一般的です。

加工された食品は、さまざまな地域で郷土料理として利用されています。特に福岡県を中心とした九州北部では、煮溶かして冷やし固めた「おきゅうと（おきうと）」が伝統的な郷土料理として知られています。寒天やところてんに似た食感を持ち、醤油、酢醤油、三杯酢などで味付けして食されます。福岡では江戸時代から親しまれ、現代でも定番の朝食メニューや家庭料理として根強い人気があります。

また、新潟県や佐渡地方では、同様の方法で作られる食品が「えご」「えご練り」「えごこんにゃく」と呼ばれ、夏の涼味料理として古くから愛されています。

乾燥えごのりは保存性に優れており、現在では加工された状態でパック詰めされ、家庭用商品や観光土産としても広く流通しています。

カロリーSlismの栄養素グラフからえごのりの栄養を分析すると、ビタミン類では、ビタミンKが最も多く含まれており、一食あたりの目安量を大きく上回る極めて高い割合を占めています。次いでビタミンB12、ビタミンB2などが含まれており、これらの栄養素は比較的高めの割合を占めています。ビタミン類全体として、ビタミンK、ビタミンB12などが豊富に含まれており、ビタミンB2も比較的多く含まれています。ミネラル類では、マンガンが最も多く含まれており、一食あたりの目安量を大きく上回る極めて高い割合を占めています。次いでマグネシウム、カリウムなどが含まれており、これらの栄養素も一食あたりの目安量を大きく上回っています。ミネラル類全体として、マンガン、マグネシウム、カリウム、鉄などが豊富に含まれています。その他の栄養素では、食物繊維総量が最も多く、一食あたりの目安量を大きく上回る極めて高い割合を占めています。塩分は目安量を大きく超えており、過剰摂取には十分注意してください。コレステロールは目安量に対して少なめです。