イサキの刺身 (いさき刺し)

イサキの刺身は、初夏に旬を迎えるイサキを使った代表的な料理で、産卵期にもっとも脂が乗り、真鯛に匹敵するほどの上質な味わいを楽しめます。脂が豊富な旬のイサキは濃厚な旨味を持ち、刺身にすることでその風味を存分に堪能できます。ただし、脂が多い分だけあっさりとした白身魚と比べるとカロリーは高めであるため、一度に食べ過ぎないように心がけるとよいでしょう。
刺身に調理する際には、三枚おろしにするのが適しています。まず鱗を丁寧に落とし、内臓を処理してから三枚に下ろします。その後、腹骨を切り落とし、骨抜きで小骨を取り除いたら、包丁を寝かせるようにしてそぎ切りにすると、口当たりが良く美しい仕上がりになります。皮を引くかどうかは好みによって選べ、皮付きのまま薄造りにすると、皮目の香ばしさや旨味も感じられます。
イサキを丸ごと保存する場合は、まず内臓を取り除き、流水でしっかりと洗った後に水気を丁寧に拭き取ることが重要です。水分が残っていると鮮度が落ちやすいため、キッチンペーパーで十分に水気を取ってからラップに包み、フリーザーバッグに入れると冷凍保存が可能です。適切に処理すれば、数週間程度は刺身用としても利用できます。
また、保存したイサキを解凍する際は、冷蔵庫で時間をかけて自然解凍すると身の食感を保ちやすくなります。解凍後はなるべく早めに調理して食べるのが望ましく、新鮮な状態を楽しむことができます。
イサキは刺身だけでなく、炙りにして香ばしさを加えたり、カルパッチョ風にアレンジするなど幅広い楽しみ方があり、和食だけでなく洋風の食卓にも合う食材です。高級魚として扱われることも多いイサキですが、旬の時期には比較的入手しやすく、刺身として食卓に並べることで特別感を演出できる一品です。