びわ (枇杷/ビワ)

びわは千葉県、長崎県、鹿児島県で多く栽培されており、露地栽培では5～6月が旬です。追熟しない果物のため鮮度が重要で、収穫後はできるだけ早く食べることが望まれます。保存は冷蔵庫ではなく直射日光を避けた涼しい場所が適しており、冷蔵庫で長時間保存すると傷みやすくなるため注意が必要です。冷やして食べたい場合は食べる2時間ほど前に冷蔵庫に入れると程よい温度で楽しめます。果肉はやわらかく甘みがあり、水分も多く含まれています。

びわは生食のほか、ゼリー、ジャム、コンポート、果実酒などの加工品にも利用されます。皮と種を取り除きやすく、加熱調理して保存期間を延ばす方法としても活用されています。鮮やかな色合いと香りを生かした菓子類やアイスクリームにも使われることがあります。シロップ漬けやピューレとして販売されることもあり、家庭でのアレンジにも取り入れやすい果物です。

温暖な気候が栽培に適しており、日本では太平洋側を中心に生産が行われています。特に千葉県の房総半島産は高品質とされ、地域ブランドとして人気が高まっています。長崎県でも栽培面積が広く、産地ごとに品種改良が進められています。果肉には炭水化物やビタミン類などの栄養が含まれており、果汁や果肉を使った商品開発も行われています。

びわの種子や葉は加工され、びわ茶やエキスなどの製品に利用されています。種子はそのままでは硬く扱いにくいため、粉砕や乾燥などの処理を行ってから使われるのが一般的です。葉は乾燥後にお茶にしたり、香りを生かして加工品に用いられることがあります。民間利用される例もありますが、食品以外の目的に用いる場合は用途に応じた加工が必要です。

国内での需要が高いため輸入量は少ないですが、近年は台湾や中国から少量の輸入も見られます。これにより市場には国産品と輸入品の両方が並ぶことがあり、産地や価格の選択肢が増えています。国内産は鮮度を保った状態で流通されることが多く、地域によっては観光農園での収穫体験も行われています。贈答用として箱詰めされた高級品も販売されています。