あわ (アワ/粟) ＜精白粒＞

アワは糖質を多く含み、ミネラルや食物繊維も豊富な食品で、雑穀米などに配合されることが多いです。また、小麦などと混ぜてパンや麺類の材料として使うこともあります。

アワの主な産地には長野県や岩手県があり、全国各地でも栽培が行われています。縄文時代から栽培されていたアワは、ヒエ、麦、豆（大豆や小豆）と並ぶ五穀のひとつであり、日本では古くから重要な穀物として位置づけられてきました。宮中祭祀でも供物として用いられるなど、文化的にも深いつながりがあります。

アワはイネ科の一年草で、粒が小さく淡い黄色をしており、香ばしい風味が特徴です。炊飯前に水に浸すと炊き上がりが柔らかくなり、他の雑穀と一緒に炊くと食感や風味が引き立ちます。家庭では白米に混ぜて炊くことが一般的で、雑穀ブレンドの一種として広く親しまれています。

また、アワは粥にも適しており、寒い季節には体を温める料理として利用されています。牛乳やだし汁で煮込むことで、なめらかでやさしい口当たりに仕上がります。特に離乳食期を過ぎた子どもや高齢者の食事にも使いやすい穀物として重宝されています。

さらに、アワはお菓子や加工食品の材料としても活用されています。粉にしてクッキーやビスケットに加えると、穀物特有の香ばしさとやわらかな食感を楽しめます。アワ粉を使った焼き菓子や蒸しパンは、自然派志向の菓子として注目されており、グルテンを含まない食材としての利用価値も高まっています。アワは保存性にも優れているため、乾燥状態で長期保存が可能です。調理の際は水分の吸収が早いため、炊飯時には水加減に注意することで、ふっくらとした仕上がりになります。このように、アワは古代から続く伝統的な穀物であり、現在でも日常の食卓や加工食品に幅広く利用されています。