氷糖蜜 (ひょうとうみつ)

氷糖蜜とは、氷砂糖を製造する過程で分離される透明な糖蜜のことで、精製した高濃度の砂糖水から得られる液体です。砂糖成分が豊富に含まれているため甘味が強く、液状なので溶けやすい特徴があります。糖蜜としては比較的クセが少なく、すっきりとした甘さを持っているため、さまざまな用途に利用されています。

市販や通販で手に入れることができ、使い方も幅広いのが特徴です。例えばコーヒーや紅茶に加えて甘さを調整したり、ヨーグルトやかき氷にかけてシロップとして楽しんだりすることができます。さらにシリアルやパンケーキに添えたり、煮物や佃煮のような料理に加えてコクを出したり、カクテルやジュースに混ぜて風味を変化させることもできます。このように氷糖蜜は、日常的な飲み物から調理まで幅広く活用できるのが魅力です。

氷糖蜜は氷砂糖の副産物として得られます。氷砂糖を作る際、砂糖液を結晶化させると塊になれなかった部分が蜜として残ります。結晶と蜜は分離機を使って取り除かれ、蜜の部分を集めたものが氷糖蜜です。その後、氷砂糖は加熱乾燥されて表面の水分が除かれ、商品として完成します。この過程で得られる氷糖蜜は、砂糖の成分や香りをそのまま含んでいるため、独自の風味を楽しめます。また、氷砂糖の製造に密接に関わるため、氷糖蜜の品質は氷砂糖の仕上がりにも影響しています。

氷糖蜜は、砂糖由来の炭水化物を主成分とするほか、少量ながらミネラルや微量成分を含んでいる場合もあります。そのため料理や飲み物に使うと、甘味を与えるだけでなくコクや色合いを加える効果も期待できます。液体であるため溶け残りが少なく、砂糖よりも扱いやすい点も特徴といえます。氷砂糖とともに長い歴史を持つ氷糖蜜は、甘味料としての利用だけでなく、製菓や飲料業界でも重宝されてきました。