冬瓜 (とうがん)

冬瓜（トウガン）はウリ科に属する野菜で、大きな実をつけることから古くから日本の食卓でも親しまれています。「寒瓜（カンガ）」という別名もあり、名前に「冬」と付いていますが、実際の旬は7月から9月にかけての夏の時期です。収穫後は日持ちがよいため冬まで保存できることが、冬瓜という呼び名の由来とされています。

冬瓜のPFCバランスを見ると、炭水化物が主体で、たんぱく質も少量ながら含まれています。脂質はほとんど含まれていないため、全体的にカロリーは低めです。栄養の面では95%ほどが水分で構成されているほか、ビタミンCや葉酸、モリブデン、カリウムなどのビタミンやミネラルが確認できます。一方で、ビタミンAやビタミンD、ビタミンB12といった栄養素は少ないため、魚介類や乳製品、卵などを組み合わせて献立を工夫することで、栄養バランスの整った食事につながります。

調理方法も多彩で、冬瓜のあんかけや冬瓜の中華スープ、冬瓜の煮物、冬瓜の味噌汁など、和食から中華まで幅広く活用されています。クセの少ない味わいと淡白な風味が特徴で、だしや調味料の味をよく吸うため料理全体の味を引き立てます。サイズが大きいため、調理に使う際は必要な分だけ切り分け、種やワタを取り除く下処理を行うのが一般的です。余った部分はラップで包み冷蔵保存することで数日間は使うことができます。

見た目の特徴として、夕顔とよく比較されます。夕顔の表皮は淡い黄緑色をしているのに対し、冬瓜は濃い緑色で、品種によっては白い粉をまとっているものもあります。大きさや形もさまざまで、丸型や楕円型があり、地域や生産者によって出回る品種に違いがあります。古くから料理だけでなく、保存性の高さや扱いやすさから家庭での利用が広がってきた野菜といえるでしょう。