きくらげ天 (きくらげのさつま揚げ)

きくらげ天（きくらげのさつま揚げ）は、白身魚のすり身に細かく刻んだきくらげを混ぜ込んで揚げた練り物で、さつま揚げの一種です。関西地方では「白天（しろてん）」とも呼ばれていますが、地域によっては知名度があまり高くなく、主に西日本を中心に親しまれています。
調理方法としては、軽く炙ってからしや醤油を添えて食べるのが一般的で、香ばしさときくらげの独特な食感を同時に楽しめます。焼いてそのまま食べるシンプルなスタイルが多い一方で、料理への応用も可能です。
おでんの具材として煮込めば、だしを含んで柔らかくなり、すり身の旨味ときくらげの歯ごたえが際立ちます。また、野菜やきのこと一緒に炒め物に加えると、コリコリとした食感がアクセントになり、食卓に変化を与えてくれます。
きくらげ天は冷めても味が落ちにくく、弁当のおかずとしても使いやすいのが特徴です。さらに、揚げたてを熱々のまま食べると外は香ばしく、中はふっくらとしており、家庭で作る場合には揚げたてならではの風味を味わえます。
使用するきくらげは乾燥品を水で戻してから刻むのが一般的で、すり身と混ぜることで豊かな食感が生まれます。魚のすり身自体にもたんぱく質が含まれ、きくらげには食物繊維やミネラルが含まれているため、栄養の面から見てもバランスの取れた食材の組み合わせといえます。
地域性のある練り物として独自の魅力を持つきくらげ天は、家庭料理としても業務用の総菜としても利用価値が高く、日本の食文化の一端を担っている一品です。