ゆで栗 (茹でグリ/日本ぐり) ＜茹で＞

ゆで栗は、日本栗を熱湯で茹でて調理したものです。栗には日本原産のニホングリのほか、中国栗やヨーロッパ栗などさまざまな品種があります。その中でも日本栗は特に大粒で甘みが強く、風味に優れているのが特徴です。ただし、調理の際には渋皮がむきにくく、扱いに手間がかかることもあります。

ゆで栗の基本的な作り方は、まず栗を半日から一晩ほど水に浸し、中に潜んでいる虫を出してから新しい水に取り替えます。次に栗がしっかり浸る量の水を鍋に入れ、水1リットルに対して小さじ半分強の塩を加えて溶かし、火にかけて茹でます。茹で上がったら火を止めて自然に冷まし、食べるときは栗を半分に切ってスプーンで実をすくい取ります。
圧力鍋を使うと短時間で茹で上がり、渋皮ごとむきやすくなるので便利です。

保存方法には冷蔵と冷凍がありますが、冷蔵ではあまり日持ちしないため、長期保存する場合は渋皮をむいてからフリーザーパックに入れて冷凍保存するのが適しています。冷凍したゆで栗は解凍後に菓子や料理の材料としても使いやすく、栗ご飯やスイーツなど幅広い用途に利用できます。

日本栗は山地に自生する柴栗を原種としており、栽培品種はその改良によって発展しました。粒の大きさによって大粒種（丹波栗など）、中粒種（銀寄など）、小粒種（柴栗など）に分けられ、それぞれに異なる特徴があります。ゆで栗はこうした栗の魅力をシンプルに味わえる調理法であり、昔から季節の味覚として親しまれています。