ブンタン (ぶんたん/文旦/ザボン)

文旦にはビタミンC、ビタミンE、パントテン酸、葉酸、カリウム、銅などの栄養素が含まれています。同じ柑橘類のグレープフルーツと比較すると、グラムあたりのカロリーは同程度ですが、糖質は文旦のほうがわずかに多めです。生食のほかジュースやジャムに加工されることも多く、厚い皮はピールやマーマレードにも利用できます。「ザボン」と呼ばれることもあり、高知県の土佐文旦や、2kgを超える晩白柚（ばんぺいゆ）などの品種が知られています。地域によって呼び名や栽培方法が異なり、産地ごとの味わいの違いも楽しめます。

非常に厚い皮はむいたあと砂糖で煮て砂糖菓子のように加工することがあり、独特の苦味と甘味が合わさった手作りのお菓子として親しまれています。皮の内側のワタを取り除き、細く切ってから煮詰めることで風味が引き立ちます。家庭用だけでなく土産品として販売されることも多く、皮をドライ加工した製品もあります。

文旦は保存性が高く、冷暗所で保存すれば比較的長期間品質を保てます。乾燥を防ぐため風通しの良い場所に置くのが適しており、冷蔵庫での保管も可能です。収穫後すぐよりも少し寝かせることで風味がなじみ、果肉の水分量も安定します。箱に入れて保管されることも多く、贈答用として扱われることもあります。出荷の際は外皮の状態やサイズによる等級分けがされます。

果汁は清涼感があり、サラダのドレッシングやマリネの風味付けに向いています。爽やかな酸味が料理のアクセントとなり、肉や魚との組み合わせにも使いやすいです。果肉をそのままサラダに加えるほか、皮を刻んで香り付けにするなど用途は多岐にわたります。皮をすりおろして焼き菓子に加えるアレンジも見られるほか、業務用としてジュース原料に用いられることもあります。