玄米（米） (玄米（こめ）) ＜炊飯前＞

玄米とは、もみ殻だけを取り除いた状態の米で、ぬか層や胚芽が残された精米前の米を指します。この外皮や胚芽部分には、食物繊維、ビタミンB群、ミネラル（マグネシウム、鉄、亜鉛など）が豊富に含まれており、白米と比べて栄養価が高いのが特徴です。

ただし、ぬか層が硬いため、水をしっかり吸収させる必要があり、炊き上がりには白米よりも時間がかかります。玄米をおいしく炊くには、洗米後に6～8時間ほど水に浸けておくことを推奨します。また、炊飯器を使う場合は、玄米モードがある機種を使用すると、ふっくらとした仕上がりになります。圧力鍋や土鍋を利用すると、よりもっちりとした食感を楽しめます。

玄米には特有の歯ごたえと香ばしさがあり、独特の風味を楽しめるため、白米と混ぜて炊く「分づき米」や「雑穀米」としての利用も一般的です。白米よりも噛む回数が増えることで満腹感を得やすく、食事の満足度を高めます。特に、腹持ちのよさを重視する方や、食事の質を高めたい方にとって、玄米の活用は有効です。

玄米を選ぶ際は、「精米日」を確認することが重要です。精米したばかりのものほどぬかの酸化が少なく、風味や食感も良好です。酸化が進むと、玄米特有の香りが劣化しやすいため、購入後はできるだけ早めに消費することを推奨します。保存する際は、高温多湿や直射日光を避けた冷暗所に置き、密閉容器に入れて空気に触れさせないようにすると、鮮度と風味を長く保てます。

さらに、玄米には種類ごとに特徴があり、例えば「コシヒカリ玄米」は甘みが強く、炊き上がりの粒がしっかりしているため、白米とのブレンドに適しています。「あきたこまち玄米」はやや柔らかめで、もちもち感を楽しめるので、玄米単体でも食べやすいです。玄米を炊く際には、水の量や浸水時間を調整することで、粒の硬さや粘りを自分好みに変えられます。また、発芽玄米にすると、通常の玄米よりも炊き上がりがやわらかくなり、栄養価のバランスも変化します。家庭で玄米を活用する際は、こうした種類や調理方法の違いを理解して使い分けると、より多様な食感や風味を楽しめます。

玄米は、炊飯前に浸水させることに加えて、炊き方や水加減によって仕上がりの食感が大きく変わります。土鍋や圧力鍋を使用すると、外側はふっくら、内側はしっかり粒感が残る炊き上がりになります。白米と混ぜて炊く場合は、白米と玄米の割合を調整することで、噛みごたえや粘りのバランスを調整できます。また、冷凍保存や炊き置きの場合は、粒が固くなるのを防ぐため、炊き上がりをすぐに冷凍せず、粗熱を取ってからラップで包むと風味が長持ちします。玄米は、調理や保存の工夫次第で、毎日の食事に取り入れやすい食品です。

カロリーSlismの栄養素グラフから玄米（米）の栄養を分析すると、玄米（米）はビタミン類ではナイアシンが最も充足率が高く、特に100％を超えて多量に含まれており、これにパントテン酸、ビタミンB6などが豊富に含まれています。ミネラル類ではモリブデンが最も充足率が高く、特に100％を超えて多量に含まれており、これにマンガン、マグネシウムなどが豊富に含まれています。その他、食物繊維は目標量に対してやや少なめです。玄米（米）は、不足しやすい栄養素であるビタミンC、ビタミンA、ビタミンDなどが不足しがちです。これらの不足しやすい栄養素を補うためには、野菜や果物、乳製品などの副菜を組み合わせるのが有効です。