寒天 (かんてん/水寒天) ＜ゼリー状＞

寒天はカロリーが低く、天草などの海藻に含まれる寒天質を冷凍・乾燥させ、ゼリー状に加工して作られる食品です。含まれる栄養素の大部分は食物繊維で、他の食品と比べても特に多いのが特徴です。
同じようにゼリー状になる食品としてゼラチンがありますが、ゼラチンは牛や豚の骨や皮から作られ、主成分はたんぱく質です。見た目や用途が似ていますが、原料や成分が大きく異なります。

寒天に水を加えて作るシンプルなものは「水寒天」と呼ばれ、無味無臭でさっぱりとした口当たりが特徴です。冷やす工程は必要ですが、調理は寒天と水を混ぜるだけと手軽で、きな粉や黒蜜をかければ和風スイーツとして楽しめます。特に山梨県の名物「水信玄餅」は、水寒天を使った代表的なデザートとして知られています。

寒天の種類には粉末状の粉寒天、細い形状の糸寒天、棒状の「角寒天」などがあり、用途に応じて選ぶと便利です。液体に加える寒天の量によって仕上がりの硬さが変わり、液体に対して0.5%から1%程度の割合で加えるのが一般的です。粉寒天は角寒天よりも凝固力が高く、角寒天1本（約8g）は粉寒天4gと同じくらいの固さになるため、レシピでは粉寒天を基準に換算して分量を調整するとわかりやすいです。

寒天はそのままでもスイーツやデザートに適していますが、果物やジュースと合わせることで彩り豊かなゼリーを作ることができます。例えば、カットフルーツを閉じ込めたフルーツゼリーや、爽やかな味わいの寒天入りアイスキャンディーなどが人気です。また、日持ちが良いため保存性に優れ、家庭での作り置きや非常食、お弁当のデザートとしても活用されています。さらに料理に使えば、寄せ物や和え物など幅広いアレンジが可能で、昔から家庭料理や和菓子の材料として親しまれてきました。