大学芋 (さつまいも飴煮)

大学芋は、揚げたさつまいもに甘い蜜を絡めた和菓子の一種で、日本の秋から冬にかけて特に人気のあるおやつです。一般的な作り方は、皮付きのさつまいもを乱切りやスティック状に切り、油で揚げた後、砂糖や醤油を煮詰めた蜜を絡めて仕上げます。外はカリッと、中はホクホクとした食感が魅力で、表面の蜜がカラメル状に固まることで独特の甘さと香ばしさが楽しめます。

調理法によって仕上がりは大きく変わり、油で揚げる従来のレシピは風味豊かですがカロリーが高めになります。そのため、最近では油を使わずに蒸したさつまいもに蜜を絡める方法や、水あめを使わず砂糖を控えめにする作り方も広まっています。代替甘味料を利用するレシピやオーブンで焼き上げる方法などもあり、家庭ごとに工夫が凝らされています。

大学芋に使うさつまいもは、糖質を多く含むだけでなく、食物繊維や少量のたんぱく質も含んでいます。さらに、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、銅、モリブデンなどの栄養素も豊富で、栄養面から見てもバランスの取れた食材です。皮を残したまま調理すると色合いが鮮やかになり、見た目にも食欲をそそります。

仕上げに黒ごまをふりかけるのは定番で、香ばしさと彩りが加わり、風味が一層引き立ちます。形は乱切りやスティック状が一般的ですが、輪切りや小さめにカットするなど、好みに応じて自由に調整できます。食卓のおやつとしてはもちろん、お弁当の一品や茶菓子としても活用されています。

また、大学芋は冷凍保存が可能で、食べたいときに電子レンジやオーブントースターで温め直して楽しむことができます。常備しておけば手軽に甘味を味わえるため、家庭で作り置きされることも多い料理です。昔ながらの素朴さを残しつつ、現代の調理法にもアレンジしやすい点が大学芋の魅力といえるでしょう。