おはぎ (御萩/はぎのもち/ぼた餅)

おはぎは伝統的な和菓子で、春分の日や秋分の日に食べる習慣が古くから続いています。炊き上げたもち米を丸め、甘い小豆の餡で包んで作るのが基本の形です。表面に砂糖を加えたきな粉やすりごまをまぶしたり、粒あんを用いたりするなど、多様なバリエーションがあります。家庭ごとに味付けや仕上げが異なり、地域によって特徴的な作り方が受け継がれています。

餡には一般的に粒あんが使われますが、なめらかな口当たりのこしあんを使うこともあります。最近では黒豆や抹茶を使った風味豊かなおはぎ、さらには季節の素材を加えたアレンジも登場しており、従来の形にとらわれない楽しみ方が広がっています。おはぎは本来は春や秋のお彼岸に食べられるものですが、現在では一年を通して和菓子店やスーパーで手に入れることができ、季節を問わず親しまれています。

主な材料であるもち米やあんこには炭水化物が多く含まれており、さらに食物繊維やたんぱく質も含まれています。きな粉やごまを使った場合は風味が変わるだけでなく、使用する素材によって含まれる栄養素やエネルギー量も異なります。

おはぎには「ぼたもち」という別名があり、呼び方には地域や時期による違いがあります。春に食べるものを「ぼたもち」、秋に食べるものを「おはぎ」とする説や、粒あんをおはぎ、こしあんをぼたもちと区別する説、さらにはもち米で作ればぼたもち、うるち米を混ぜればおはぎとする説などがあり、明確な定義は存在しません。こうした多様な呼び方や作り方がある点も、おはぎの魅力の一つといえます。