ヤーコン (菊薯) ＜生＞

ヤーコンは南米アンデス山脈原産のキク科の多年草で、チコリーと同じ種類に分類されます。根の部分である塊根はさつまいも（ヒルガオ科）に形が似ていますが、さつまいもに含まれるでんぷん質はほとんど含まれておらず、オリゴ糖が豊富に含まれるのが特徴です。また、食物繊維やミネラルも含まれ、栄養的に多様な用途で使いやすい食材です。

ヤーコンは生で食べられ、シャキシャキとした食感で果物のような甘みを感じられます。茹でても食感はあまり変わらず、れんこんのような歯ごたえが残ります。生のままサラダに加えたり、スティック状に切ってディップと一緒に楽しむこともできます。

加熱すると甘みが増すため、炒め物、煮物、揚げ物などさまざまな料理に使いやすい食材です。特にきんぴらや天ぷら、煮物の一部として利用されることが多く、家庭料理だけでなくレストランのメニューにも取り入れられています。ヤーコンは保存も比較的容易で、冷蔵や適切な常温保存で数日間鮮度を保てます。切った状態で冷凍保存することも可能で、使う量に応じて調理しやすく管理できます。また、ジュースやピクルスなど加工品にも利用され、料理のバリエーションを広げやすい食材です。

カロリーSlismの栄養素グラフからヤーコンの栄養を分析すると、ヤーコンは葉酸やナイアシンが一食あたりの目安量の半分を超えて含まれています。ミネラル類では、カリウムと銅が目安量の半分を超えて含まれています。その他の栄養素では、食物繊維は目標量に対して少なめです。塩分やコレステロールは特筆すべき含有量ではありません。ヤーコンは葉酸、ナイアシン、カリウムなどが豊富な食品ですが、含まれていないビタミンDやビタミンK、ビタミンB12などが不足しやすい栄養素であるため、これらの栄養素を豊富に含む魚介類、きのこ類、乳製品、肉類、緑黄色野菜などを副菜として組み合わせることで、栄養バランスをより整えることができます。