からし菜 (カラシナ/芥子菜/辛子菜)

からし菜は日本各地でも栽培されており、種は和がらしの原料として利用され、葉は「からし菜」としてさまざまな料理に取り入れられています。ピリッとした辛みが特徴で、お浸しや漬物、サラダ、和え物（胡麻和え・味噌和え・マヨネーズ和えなど）、炒め物の具材として親しまれてきました。また、ご飯のお供としておにぎりやお茶漬けに使われるほか、洋風のパスタやスープの具材としても応用され、幅広いレシピで活躍します。
からし菜の花は黄色で、同じアブラナ科の植物である「菜の花」と見た目がよく似ているため、採取時には間違えやすい点に注意が必要です。栽培品種によっては葉の形や辛みの強さに差があり、家庭菜園でも人気の高い葉物野菜のひとつです。
白菜やチンゲン菜も同じアブラナ科に属し、共通して葉や茎を食用とする特徴を持っています。さらに、同じ仲間の葉物としてわさび菜や高菜があり、これらはからし菜の変異によって生まれた品種です。いずれも地域ごとに異なる料理文化に結びついており、漬物や炒め物などに利用される機会が多いです。
からし菜は独特の辛みを持つため、単品で調理するだけでなく、他の野菜と組み合わせて使うことで味わいに変化をつけられます。例えば、キャベツや大根などと一緒に炒めたり、油揚げや豆腐と合わせて煮びたしにするなど、和風・洋風を問わずアレンジの幅が広いのが特徴です。また、からし菜には食物繊維やビタミン類、ミネラルなどの栄養が含まれており、食卓を彩る食材として古くから重宝されてきました。地域の郷土料理にも取り入れられることが多く、食文化に根付いた野菜と言えます。