カッペリーニ (トマトの冷製カッペリーニ)

カッペリーニはイタリア料理に用いられるパスタの一種で、非常に細い麺を指します。直径はおよそ0.9mmから1.2mmで、一般的なスパゲッティ（約1.9mm）と比較すると明らかに細い形状をしています。イタリア語で「髪の毛」を意味する言葉から名付けられ、その繊細な見た目や食感が特徴です。

調理の際は茹で時間が短く、約2～3分でアルデンテに仕上がります。アルデンテとは「歯ごたえを残す」という意味で、パスタの中心にわずかな硬さが残っている状態を指します。この短時間で仕上がる性質から、家庭でも調理しやすいパスタのひとつです。

カッペリーニは冷製パスタに用いられることが多く、夏の暑い時期には特に好まれます。茹で上がった麺を流水でしっかり冷やして締め、そのまま冷蔵庫で冷やすことで、さっぱりとした食感を楽しめます。冷製に仕上げる際は、少し長めに茹でてから冷やすと、より柔らかい食感に仕上がります。オリーブオイル、バジル、にんにくなどのシンプルな素材と組み合わせても美味しく、アレンジの幅が広いパスタです。

代表的な料理には、トマトを用いた冷製カッペリーニがあります。湯むきしたトマトや刻んだフレッシュトマトを使い、オリーブオイルと塩で調味したソースを絡めるだけで完成する手軽さが魅力です。見た目も鮮やかで、食卓を彩る一品として人気があります。魚介類やチーズを加えることで、より華やかな仕上がりにすることもできます。

なお、カッペリーニを紹介する際に「スパゲッティ」と表記される場合がありますが、これは汎用的な呼び方として用いられているものです。分量を調整することで、料理ごとのレシピにも適した形で活用されています。こうした柔軟性があるため、家庭料理からレストランの一皿まで幅広く使われているパスタといえます。