エリンギ (えりんぎ)

エリンギは、低カロリーで食物繊維が豊富なキノコで、栄養バランスを意識した食生活に取り入れやすい食材です。PFCバランス（タンパク質・脂質・炭水化物の割合）を見ると、全体のエネルギー量が控えめなため三大栄養素の含有量は比較的少なめですが、特に炭水化物（主に食物繊維）と少量のタンパク質を含み、脂質はほとんど含まれていません。

栄養面では、ビタミンDやナイアシン、パントテン酸、葉酸などのビタミンB群が含まれており、カリウムやリンといったミネラルも摂取できます。これらは体内での様々な代謝活動に関わる栄養素で、他の食材と組み合わせることで栄養バランスを高められます。一方、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB12はほとんど含まれていないため、緑黄色野菜や果物、肉類や魚介類を加えるとよりバランスの良い食事になります。

エリンギはヒラタケ属に分類され、クセのない風味としっかりとした食感が特徴です。炒め物、煮物、揚げ物、グリルなど幅広い調理法に対応でき、和洋中問わずさまざまな料理に活用できます。切り方を工夫することで食感や見た目を変えられ、縦に薄切りすれば歯ごたえを楽しめ、乱切りやささがきにすれば料理に変化を加えられます。

保存方法は冷蔵が基本ですが、使いやすい大きさに手で裂き密閉袋に入れて冷凍すると、約1か月保存可能です。冷凍することでうま味成分であるグアニル酸が増し、風味が強くなるという利点もあります。また、乾燥や冷凍により旨味や香りの変化を活かした料理も可能です。

エリンギの定番レシピとしては、エリンギのバター炒めやエリンギの天ぷらのほか、味噌汁やカレー、パスタの具材としても適しています。オリーブオイルでグリルするだけでも表面は香ばしく、中はジューシーに仕上がり、シンプルながら満足感のある一品になります。さらに、軽く燻製にすることで風味を増し、サラダやおつまみとしても楽しめます。加えて、エリンギをソテーしてハーブやスパイスで味付けすれば、香りや旨味のアクセントが生まれ、料理の幅が広がります。