ふろふき大根 (風呂吹き大根/ふろふきだいこん)

ふろふき大根とは、煮込んだ大根に味噌をかけて食べる料理で、発祥の京都では丸い聖護院大根を使ったふろふき大根が郷土料理として伝わっている。
風呂吹きと名がつく料理にはふろふき大根以外もあり、かぶの風呂吹きや柿の風呂吹きなど主に野菜を切って茹でたり煮たりしたものに味噌をかけて食べる料理に命名されていることがある。

ふろふき大根の名前の由来は諸説あり、漆器作りの漆風呂で漆を乾燥させる際に、大根のゆで汁を霧吹きしたところ乾燥がうまく行ったというところから、その使用した大根に味噌をかけて食べたのがきっかけという説と、ふろふき大根を食べる際に、昔の蒸し風呂で垢こすりをする人のことを「風呂吹き」といい、風呂吹き大根を食べる様子が「風呂吹き」に似ているからという説がある。

ふろふき大根の作り方は、厚めに皮を切り取った大根を煮崩れしないように面取りし、裏面に隠し包丁で十文字に切り込みを入れ下準備をしたら、昆布でだしを取った水または米のとぎ汁、お好みで醤油などで煮て竹串が通るまで煮込む。
大根の上にかける味噌だれを味噌、砂糖、酒、みりんを合わせて作ったら、それを煮た大根のかけて完成。
ふろふき大根の味は味噌の味が決め手になるが、柚子などを加えるとより味が上品に仕上がる。
ふろふき大根の保存は、ふろふき大根の旬の冬場であれば常温での保存も可能だが、基本は冷蔵庫で2～3日まで保存が可能。

ふろふき大根は大根の味噌田楽と似ているが、味噌田楽は野菜やこんにゃくなどの食材に味噌をのせて串で焼いた愛知県周辺発祥の食べ物という違いがある。
大根の味噌田楽と呼ばれているものは、焼き大根の味噌田楽は料理としてあるのだが、煮たふろふき大根と同じものも大根の味噌田楽を指していることが多く、大根においては発祥以外の大きな違いはない。

ふろふき大根のカロリーはPFCバランスのグラフで見ても三大栄養素が何も含まれていないため限りなく低く、カロリー制限を行っているときに大根は重宝する。しかしビタミン・ミネラルなどの栄養バランスも、あまり含まれていないのでほかの食材で栄養を摂取する必要がある。