生姜 (しょうが/ショウガ)

生姜（しょうが）はショウガ科の多年草で、古くから世界各地で香味野菜として利用されてきた食材です。特にアジア諸国では料理の風味づけに欠かせない存在で、日本でも煮物や炒め物、スープ、漬物など幅広いレシピに活用されています。

生姜には炭水化物を主成分とし、次いでたんぱく質、脂質の順に三大栄養素が含まれています。また、栄養成分としては、マンガン、モリブデン、銅、マグネシウム、カリウム、鉄、セレンといったミネラル類のほか、ビタミンB6、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸などのビタミン類も含まれています。特にマンガンやビタミンB6は、一般的な摂取量の中でも比較的多く含まれている栄養素です。

生姜は独特の香りと辛みを持ち、肉や魚の臭みを和らげる効果があることから、にんにくと並んで料理のアクセントや下処理に用いられることが多いです。用途に応じて、皮付きのまま使うか、皮を剥くかが変わります。例えば、煮出す用途では皮付きのままでも構いませんが、すりおろして薬味にする際などは皮をむいた方が滑らかな仕上がりになります。

保存方法も用途によって工夫できます。生のまま保存する場合は、ペーパータオルに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのが基本です。薄切りやすりおろし、生姜の皮などに分けて保存しておくと、調理時に使いやすくなります。特にすりおろした生姜は、製氷皿で小分けにして冷凍しておけば、必要な分だけを簡単に取り出して使えるため便利です。チューブタイプのおろし生姜も手軽に使える調味料として人気で、生姜焼きや生姜紅茶などのレシピに向いています。

また、生姜の風味を長持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめです。薄切りやすりおろしにしてから冷凍することで、調理時にそのまま使用でき、香りも比較的保持されます。乾燥させた粉末タイプの生姜（ジンジャーパウダー）もあり、焼き菓子やドリンクに使う際に便利です。

生姜の旬は秋から冬にかけてで、新生姜（収穫後すぐ出回る若い生姜）は初夏にも出回ります。旬の時期の生姜は香りが高く、水分が多めでやわらかく、繊維も比較的少ないため、さまざまな用途に使いやすいです。新鮮な生姜を選ぶポイントは、皮にハリと艶があり、全体的に硬く引き締まっていることです。芽の部分が緑色を帯びているものは、収穫が新しい証拠とされます。

生姜は和食・中華・インド料理をはじめ、多くの地域の料理で利用されており、香味野菜のひとつとして、味や香りを引き立てる大切な食材です。炒め物や煮物の他、炊き込みご飯や味噌汁、ドレッシング、デザートにも応用でき、日々の食卓に取り入れやすい万能な食材です。