サムゲタン (参鶏湯)

参鶏湯（サムゲタン）は、韓国の伝統的な薬膳スープの一つです。丸鶏（主に若鶏）の内臓を取り除き、中に高麗人参（朝鮮人参）、もち米、ナツメ、栗、ニンニクなどの滋養に富んだ食材を詰めて、長時間かけてじっくりと煮込んで作られます。

参鶏湯の「参」は高麗人参、「鶏」は鶏肉、「湯」はスープを意味します。鶏肉と薬膳食材の旨味と風味がスープに溶け出し、濃厚でありながら優しい、深いコクを持つ滋味豊かな味わいが特徴の料理です。

伝統的な参鶏湯の作り方では、土鍋や厚手の鍋を使用し、鶏肉が骨からホロホロと外れるほど柔らかくなるまで、2～3時間かけて煮込みます。この長時間の煮込みによって、鶏の旨味が凝縮され、特有の深いコクと薬膳の風味を持つスープが完成します。煮込む際に浮いてくる灰汁や余分な脂を丁寧に取り除くと、スープが澄み、よりすっきりと上品な味わいに仕上がります。

参鶏湯は、丸鶏を手羽元や鶏もも肉などの骨付き肉に替えることで、家庭でも手軽に参鶏湯風のスープを楽しむことができます。また、調理時間を短縮したい場合は、圧力鍋や電気圧力鍋を使用すると、短時間で肉を柔らかくすることができます。

鶏肉は良質なのタンパク質を含む食材であり、参鶏湯では高麗人参やナツメなど、滋養に良いとされる食材を一緒に摂取できます。もち米からは炭水化物も得られるため、一皿でバランス良く栄養素を補給できます。参鶏湯は韓国では、夏場の最も暑い時期である「三伏（さんぷく）」に、体力をつけるために食される習慣があります。