牛ひき肉 (牛挽肉/牛挽き肉/牛ミンチ)

牛ひき肉は、「ネック」「スネ」「肩」など筋（すじ）の多い部位を中心に挽いて作られるミンチ肉です。これらの部位は単品でスライスやブロックとして販売される需要が少ないため、食べやすく加工する形でひき肉として利用されています。
脂質の量は比較的多く、豚ひき肉と大きな差はありませんが、鶏ひき肉と比べるとおよそ2倍近い脂質を含んでいます。合いびき肉は牛ひき肉と豚ひき肉を合わせたものが一般的ですが、さらに牛の脂身を加えた高脂肪タイプも多く出回っています。
脂質が多いため、ジャガイモやナスといった油をよく吸う野菜との相性が良く、炒め物や揚げ物に向いています。一方で、オムレツやそぼろ、離乳食などには赤身部分を中心に挽いた牛ひき肉の方が適しています。
スジを含むことで煮込み料理に適しており、カレーやミートソースでは旨味が引き出されます。ただし牛特有の風味が強いため、餃子に使う際はキャベツやニラといった豚肉向きの組み合わせよりも、セロリや香菜といった香りの強い野菜と合わせたレシピが向いています。短時間の加熱では硬くなりやすいため、ハンバーグや肉団子を作る場合には、肩ロースなど比較的柔らかい部位を挽いたものが適しています。
また牛ひき肉は、タコスやミートパイ、ラザニアなど洋風料理にも広く使われており、国や地域ごとにバリエーション豊かな活用法があります。

［ひき肉］は、「上ひき肉」として市販されている脂肪含量およそ15％程度の製品を試料としています。「生」の成分値は、実際の分析値および四訂日本食品標準成分表に基づいて決定されています。