バームクーヘン (バウムクーヘン)

バームクーヘンは、専用の棒に生地を少しずつかけて回転させながら焼き重ねていく製法で作られるドイツ発祥の洋菓子です。焼き上がった断面には木の切株の年輪のような層が現れ、その独特な見た目が名前の由来となっています。日本では贈答用のお菓子としても定着しており、結婚式の引き菓子や季節の贈り物として広く利用されています。

基本的なレシピには小麦粉、卵、無塩バター、砂糖などが使われ、しっとりとした食感と濃厚な風味が特徴です。市販されているものにはプレーンタイプのほか、抹茶やチョコレートでコーティングしたもの、フルーツやクリームを加えたアレンジ品など多彩なバリエーションが存在します。含まれている栄養素には、ビタミンA、ビタミンK、ビオチン、パントテン酸、リン、鉄、ヨウ素、カルシウム、セレン、モリブデンなどがあります。

食感はパウンドケーキに近く、シフォンケーキよりもややしっかりとしています。コーヒーや紅茶との相性が良く、朝食やティータイムのお供として楽しむ人も多いです。層ごとに少しずつちぎって食べられる点も特徴で、見た目だけでなく食べ方の楽しさも魅力のひとつです。

自宅で作る場合は専用のオーブンがなくても、厚焼き玉子用の四角いフライパンと棒状の器具を用意することで挑戦できます。油をひいたフライパンに薄く生地を流し入れ、完全に火が通る前に端から棒へ巻き付ける作業を繰り返すと層が重なり、家庭版バームクーヘンが出来上がります。最後に棒を引き抜けば完成し、棒の太さによって中央の穴の大きさも変わります。こうした製法を工夫することで、家庭でも手作りならではの素朴な味わいを楽しむことができます。