水飴 (水あめ)

澱粉（でんぷん）を原料とする水飴は、強い粘り気を持つ甘味料で、カロリーは砂糖と比較するとやや高めに感じられることがあります。ただし100g当たりの数値を比べると、砂糖より若干低めです。
水飴は菓子作りに利用されるだけでなく、煮物や大学芋、さらにブリやチキンの照り焼きなどの料理に照りやコクを与えるためにも広く活用されます。家庭で手作りすることも可能で、砂糖と比べて結晶化しにくい性質を持つため、なめらかな食感を仕上げたいお菓子に向いています。
麦芽糖を主体とする水飴に対して、麦芽糖水飴を還元して得られる「還元麦芽糖水飴」は名前に「水飴」とついていますが主成分が異なります。還元麦芽糖水飴の主成分は糖アルコールで、水飴の主成分である麦芽糖とは性質が異なり、用途や味わいも少し違います。
一般的な水飴は澱粉を糖化して製造されますが、原料や製法の違いによって種類が分かれます。たとえば「玄米水飴」は玄米を発芽させて作られ、米由来の独特の風味や色合いが特徴です。また、さつまいもやじゃがいもなどの澱粉から作られる水飴もあり、原料の選び方によって味や香りに微妙な違いが生まれます。
水飴はその粘度の高さから食品に光沢を与える働きがあり、砂糖水や蜂蜜と同じく甘味料として分類されます。製菓や料理の分野では「素材をまとめる役割」を果たす存在でもあり、砂糖や蜂蜜と並んで利用頻度の高い甘味料の一つです。さらに、水飴には炭水化物としての栄養が含まれており、料理や菓子の仕上がりに深みを与えるだけでなく、製品の保存性や見た目を整える点でも重宝されています。