スープカレー (スープカリー/カレースープ/カリースープ)

スープカレーは、北海道札幌市発祥のご当地グルメとして全国的に知られる料理です。一般的なカレーライスと異なり、さらりとしたスープ状であるのが最大の特徴で、鶏ガラや豚骨、野菜などからとっただし（ブイヨン）に、数十種類のスパイスを組み合わせた奥深い味わいが魅力です。とろみがないため、スパイスの香りや、具材の持つ本来の風味を存分に楽しめます。

具材には、素揚げやグリルで調理された彩り豊かな野菜と、ホロホロに煮込まれた骨付きチキンレッグが代表的です。かぼちゃ、人参、じゃがいも、レンコン、ナス、ピーマンなど、旬の野菜がゴロゴロと大きくカットされて使われます。豚の角煮（角煮カレー）やシーフード（海老やホタテなどの魚介類）を使ったメニューも人気があり、店舗ごとに独自の工夫が凝らされています。

スープカレー専門店では、辛さを数段階から細かく選べるのが一般的です。辛さに加えて、スープのベースや、コクを出すためのトッピング（チーズ、納豆、揚げ餃子、温泉卵など）を選べる自由度の高さも、人気の理由の一つです。スパイスには、ターメリックやコリアンダー、クミンなどが多く使われ、風味豊かな香りが食欲をそそります。

スープカレーは、ご飯とスープを別々に提供されることが多く、食べ方にも決まった形式はありません。スプーンでご飯をすくってスープに浸して食べるスタイルが一般的ですが、直接スープにご飯を入れて混ぜて食べる人もいます。ご飯には、白米のほか、スパイスを加えたターメリックライスや、風味豊かなサフランライスを合わせると、スープとの相性がさらに引き立ちます。

この料理は、1990年代頃に札幌で登場し、ブームを経て定着しました。現在では、レトルト商品や冷凍食品も豊富に販売されており、自宅でも手軽に本場の味を楽しめます。店ごとのレシピやスパイス配合の違い、バリエーション豊富な具材の組み合わせによって、食べるたびに新しい美味しさに出会える点が、今もなお人気を集め続けている大きな魅力です。